心の迷いを焼き払う護摩(ごま)という炎の祈祷法

 

お寺などで行われる「護摩」という修行をご覧になったことはありませんか?

 

芸能人などがテレビで護摩行にチャレンジしている姿を見たことがあるという方も多いと思います。

炎がメラメラ燃える中での修行は迫力がありますよね。

そんな護摩についてご紹介したいと思います。

 

ホーマ

護摩はもともと「ホーマ」という古代インドで行われていた呪術的な行事で、

日本では天台宗や真言宗など、密教系の宗派で行われています。

 

ホーマという言葉には、

「智恵をもって煩悩の薪(たきぎ)を焼く」という意味があります。

 

護摩のやり方

不動明王など仏様の前で、

護摩木と言われる薪を炊いて五穀を供養して祈祷します。 

 

この時、ご本尊と炎と行者が一体となり、不思議な力が発生します。

 

その発生したエネルギーによって人の心を巣食っている煩悩を焼きつくす。これが護摩行です。

 

火焔の風

炎によって発生した風は特別なもので、

智慧という悟りへ到達するための手助けとなり、

祈りをささげる者を救います。

 

ですので祈っている時は炎を一心に見つめて、祈りを込めます。

例えば、無病息災、長寿長命、身体堅固などの祈祷祈願です。

 

護摩行を体感

禅宗では基本的に護摩行は行いませんが、

以前知り合いの天台宗僧侶さんから「護摩行を勤めるから来ないか?」と誘われて、

間近で護摩行を体感させて頂いたことがあります。

 

田舎育ちの私は、子供の頃はよく自坊の境内で落ち葉などを燃やしていたので、

火の熱さには多少耐性があるだろうと思っていましたが、

 

護摩行の炎の力は圧巻で、火そのものの熱さとお不動様の前で祈祷するエネルギーを浴びると、

気の迷いや自分の心の中のモヤモヤした感情などが一気に吹き飛ばされました。

その時、護摩行の力を肌で体感した次第です。

 

護摩札

祈願の内容を書いた板や紙を護摩札や護符と言いますが、こちはらお守りとして家の仏壇などに祀るようにします。

 

霊験といって、加持・祈祷した護摩札には仏の分霊が宿り、

人知を超えた不可思議な力がそなわっていますので大切に扱うようにします。

 

護摩は密教系の寺院で行われるていることが多いので、ご興味のある方は訪ねて見られてはいかがでしょう。